『夫婦は一対』
木曜日, 9月 17, 2009 at 4:50午後
Naoyuki Maruya in 夫婦

夫婦の性格の違いが対立を生む

若いカップルが最初に発したのは、「自分たちは、これから夫婦として、うまくやって行けるのでしょうか?」というショッキングな言葉でした。その発端は、 「どうして、そんなに小さなことまで友達に相談しなければならないの?」という夫の不満からでした。夫からしてみれば、もう少し自分で考えて行動したら、 という思いで発した言葉であったのですが、そこから端を発して二人の間に少しずつギクシャクが生じてきたのです。妻には友人が多く何でも話し、小さなこと もアドバイスを受けてきました。しかし、そのような妻の姿を見ていて、妻は他人に依存し過ぎていると感じたのです。

一方の夫は、何か問題に直面しても自分で考えて対処するタイプで、余り他人に相談することはありません。妻から見ると、夫は頼り甲斐はあるのですが、話し をしても直ぐに反応しないので、どうしても友達に相談することが増えていたのです。そのような中で、二人の間に行き違いが生じてきたのです。

そこで私は、「これは性格の違いが原因です。」と言いますと、「一体、どのようなことなのでしょうか?」と二人は真剣に説明を求めました。妻の性格は依存 的で、外向的なので他人との関わりを求めるのですが、夫の方は独立型でどうしても内向的になり、余り周りとの関係を求めません。夫婦の間にこのような違い があるならば、当然、二人にはギャップが生じてくるでしょう。しかし、このギャップこそが二人が互いに引かれた理由であったのです。つまり、依存的な妻は 独立型の夫には依存しやすく、夫の方は自分から関わりを求めなくても妻の方から頼ってきますので楽だったのです。結婚前後はこれでよかったのですが、結婚 してしばらくすると妻が他人に気楽に話しているのがなんとなく不満に感じていたのです。


性格の違いは不一致につながらない

このカップルの性格には違いがありますが、必ずしもその違いが不一致に至るとは限らず、逆に、違うことが互いを補い合うことになるのです。ただし、自動的 にはなれませんが、夫婦というのを「一対」と考えるならば、違う性格の二人がどのように互いを補い合えるようになるかのヒントを掴むことができます。一対 は、左右の靴のように同じではないからこそ一対なのではないでしょうか。同じであるならば一対とは言えないし、補い合うこともできません。しかし、この夫 婦が独立型と依存型で互いに違う性格ですが、自動的には一対となることが出来ません。それは互いが自立していることなのです。自立していないと、相手に同 じことを求めてしまい、それが受け入れないと、夫婦間のギャップになってしまうのです。そのようなギャップが積み重なると互いに誤解しまい、理解し合うこ とが困難になるのです。

夫婦には互いに自立が不可欠

しかし、互いに自立しているならば、相手の違いを受け入れられますので、自分にはない相手の特質を取り入れることが可能となるのです。そのような夫婦の関 わりをするならば、互いを補い合うことができるようになり、1+1が2ではなくその倍にもなります。逆に、自立できない夫婦は、違いがギャップになり、一 対になれないで互いに傷つけあい、1以下にさえなるのです。このように自立しているかどうかが、夫婦間の関わりに著しい影響を与えるのです。

丸屋真也

Article originally appeared on 丸屋真也・IFM・家族・結婚研究所 (http://www.ifm-soudan.org/).
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