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日曜日
7312011

子離れ・親離れ(最終回)

子供のしつけに口を出す姑に対する有効な手立てはあるか?

色々な理由で夫の両親と同居している家族もおられるでしょう。そのときに問題になる一つのことは、舅や姑が子供に自分たちのしつけの方針と合わないことをしてしまうことです。ここで厄介なのが、孫がかわいいためにやっていることです。決して悪意からではありません。

しかし、悪意からでなければどんなことをさせていていいのかというなら、勿論、「ノー」です。ただ、そのような善意を無げにするような対応もよくありません。むしろ、孫をかわいがってくれることを感謝しつつ、アプローチすることです。そうしないと同居しているわけですから、もっと悪い影響が及ぶかもしれません。

このような相談がありました。

結婚後、自分たちの家を購入するまでという条件つきで、ひとり暮らしの姑と同居しました。その後、子供が生まれ、現在1歳と6歳になる子供がいます。姑は子供のめんどうをよく見てくれますが、姑はおやつを好きなだけやったり、しつけの方針に口出ししたりして困っているのです。彼女は鈷との関係をこわさずに、自分なりのしつけで育てられるよい方法がないかどうか迷って来談したのです。

この時期の子供は、しつけが最も重要な時期です。姑に親とは違う考え方を口出しされるとしつけがスムーズには行かないことがあります。でも同居であれば姑との閑係をよく保つこともたいせつですから、そうとうな知恵が必要です。そこで、同居のあり方からお話しました。

同居を単に利用してはならない:まず、姑との同居を単に家を購入するまでの一時的なものと考えていないかどうかです。そうだとすると自分の立場からしか物事を考えられなくなります。同居をしているからには、姑を含めた生活が自分たちの家庭生活だと考えることが大事です。このような思いで姑に接したら確実にそれが相手に伝わって家族の一員として気がねなくなにかを頼んだり聞いてもらったりすることができるようになります。そして、同居させてもらっていることを感謝していると伝えると、姑との信頼関係を築きやすくなるのです。

夫婦で合意したしつけの方針を冷静に伝えましょう:夫と時間をとってこれからの子供たちのしつけについて話し合い、基本的な方針について2人であらかじめ合意しておくことです。そうすると子供に対して夫婦で一貫した対応ができるようになって、姑が違うことをしても子供への影響は最小限にとどめることができます。あなたも、姑が子供たちにどう接するかに関して気にはならなくなるでしょう。

それでは、もし姑が夫婦のしつけの方針と違ったことをしようとしたらどうしたらよいのかを述べたいと思います。

感情的に言うとしこりが残る:姑が、たとえばおやつは子供が食べたいときに与えていい、またテレビは見たいときに見せてやればいいと考えている場合、姑の日ごろの助けに感謝しながらこういってみてはいかがですか。「お母さん、子供たちにおやつを何回もやってしまうことがありますが、私のほうで準備するのでそれをやってくださいますか」とか「学校から帰ってきたらおやつを食べ、そのあとは宿題をするようにさせているので、テレビはそのあとに見るように協力してほしいのですが」などと。このときに注意すべきことは「甘いものはやらないでください」とか「テレビはあまりたくさん見せないでください」などと、姑の今までしてきたことを直接的に批判する言い方はしないことです。

こうやって姑の協力が得られるかどうかはわかりませんが、冷静に、かつ明瞭に自分の思いをくり返し伝えることです。カッとして感情的な言い方をするとしこりを作ってしまい、それを乗り越えるのは至難の業です。

姑を積極的に誘いましょう:さらに、姑の心理を理解することも大事です。連れ合いを亡くしているかたは孤独な気持ちがどこかにあるので、家族でなにかをするときは、積極的に誘うことです。一般に姑は、夫を亡くすといっそう息子へのつながりが強まる傾向になりやすいので、夫にも姑にもやさしく接するようにすすめることです。嫁姑の関係がうまくいっていないケースのほとんどはこの逆をしていることが多いようです。人間は人からよく扱われたときに心が満たされるものなので、結果としてよ態度が返ってくるものです。特に、一時的な同居であれば容易にできるのではないでしょうか。

最後に、子供にはけっして姑の悪口や批判的なことはいわないことです。子供の口はふさぐことはできませんので注意が必要です。むしろ、姑のよい点を話すと、それが子供たちから姑に自然に伝わっていい関係が築けるようになるのです。